#7 家づくりにかかる諸経費について

家づくりにかかる諸経費について



それでは、今回は家づくりにかかる
諸経費についてお伝えしていきますね。
諸経費とは、"住宅ローンを借りる時に銀行に
支払わなければいけない経費"に"火災保険・地震保険料"、
それから土地家屋調査士や司法書士にしてもらうことになる
"登記費用"の3つのことを言います。



まずは、銀行に支払わなければいけない経費ですが、
これは選ぶ住宅ローン商品によってかかる経費が違ってきます。



例えば、固定金利選択型の住宅ローンでは、
✔印紙代 ✔事務手数料 ✔保証料
この3つの経費が必要となるのが一般的なのですが、
フラット35であれば、保証料はいらないものの、
✔融資手数料 ✔印紙代 ✔団体信用生命保険料
✔つなぎ融資手数料 ✔つなぎ融資金利、といった
全く違う経費がかかってくることになります。



また、同じ固定金利選択型の住宅ローンだったとしても、
銀行や借入れする人によって条件が違ってきます。
フラット35のつなぎ融資にかかる手数料や金利は、
土地を自己資金で買うのかそうじゃないのか?
によっても違ってくることになります。



一般的には、これらの経費は、銀行がオススメする固定金利選択型
の住宅ローンは安くて、あまり銀行がオススメしてくれない
固定の住宅ローンは高いものなのですが、金利に加えこれら
の経費まで安いという理由から安易に固定金利選択型ローンを
選んでしまう方が多いので、注意していただければと思います。



では、続いて『火災保険・地震保険』についてお伝えします。
火災保険については、損害保険会社によって違いがあり
一概には言えないので、火災保険を選ぶ上で最低限の
知識をお伝えしていきます。



まず、火災保険は『建物のみ』に入るか?あるいは『家財』に
も入るのか?という選択肢があります。『家財』とは、テレビや
ソファなどのことですが、もちろん『家財』まで入ると保険料
は高くなります。



そして次に、保証範囲によって支払う費用が違ってきます。
火災保険ですから、もちろん火災による被害には対応している
のですが、ここ最近では、自然災害による浸水被害が増えてい
ることから『水災』による被害まで網羅される方が多くなって
います。



そうなれば費用はもちろん上がってしまうのですが、
このご時世ですから、少し土地が低いなと感じている方だけじゃなく、
たとえ心配がない地域に住まわれる場合でも、多少費用をかけ
てでも水災には対応しておくほうが無難かもしれませんね。



また、火災保険の価格は『建物の構造』によっても違ってきます。
少し意外かもしれませんが、実はこの建物の構造が、
火災保険の価格を最も左右するんですよね。



木造住宅では、建物の構造は『耐火(T構造)』と『非耐火(H
構造)』の2つに分類されます。
新聞広告やインターネットで見たことがある方もいらっしゃる
かもしれませんが、『省令準耐火構造』という構造が
木造住宅では耐火構造(T構造)にあたります。
そして、耐火なのか非耐火なのかで、火災保険の価格はなんと
60%近くも変わってしまいます。
パーセンテージでは、いまいちピンと来ないでしょうから、
数字でご説明させていただきます。
例えば、火災保険は10年間までは一括払いをすることが出来る
のですが、2000万円の建物で耐火と非耐火を比較してみると、
あくまでザックリですが、耐火なら10年で約15万円なのに対し、
非耐火なら10年で約35万円もの費用がかかってきてしまいま
す。その差なんと約20万円です・・・しかも10年で・・・



ですから、住宅会社でプランをしてもらう際には、その会社の
建物の基本構造が、耐火なのか非耐火なのかをしっかり確認し
ていただければと思います。また、あなたが希望していること
が耐火基準から外れることもあるので、その点も住宅会社に確
認しつつプランをしてもらってください。



『地震保険』に関しては、ポイントが5つあります。



1つ目は、
"どこの保険会社で加入しても条件が同じ"
だということです。

2つ目は、
"火災保険に入らなければ、地震保険単体では入れない"
ということ。



3つ目は、
"最長で5年なので、5年ごとに更新しなければいけない(1年ごとの更新も可)"
ということ。



4つ目は、火災保険同様
"耐火構造なのか非耐火構造なのかで
保険料が60%近く変わってくる"
ということ。



5つ目は、
"最大で建物の価格の半分までしか補償してくれない"
ということ。
つまり、もし地震が起こり、全壊したとしても、
あなたが家を2000万円で建てたとしたら
1000万円までしか保険がおりてこない
ということなんですよね。
ですから、地震保険さえかけていれば、
地震が起こった時に建替えが出来るという勘違いだけは
決してしないようにしていただければと思います。
地震保険は、当面の生活資金のための保険だという風に
認識していただいていた方がいいでしょう。



『地震保険』は以上の5つを覚えておくようにしてください。



では最後に、『登記費用』についてお伝えしていきます。
登記に関しては、もしあなたが現金で家を建てる予定
でいらっしゃるならば、その多くを省略することが出来ます。
しかし、銀行で住宅ローンを借りて家を建てるのであれば、
銀行があなたの土地や建物を担保として
設定するようになるわけなので、必要になってきます。



では、一体どんな登記が必要になるのかをご説明します。

✔所有権移転登記・・・
土地を買った時に名義を売主から買主に移すための登記
(土地から買って家づくりをする方は必要)

✔建物表示登記・・・
新築したときに構造や面積、敷地との関係を示す登記
(住宅ローンを借りて家を建てる方全てに必要)

✔建物保存登記・・・
新築した家が自分の持ち物であるということを第三者に示すためする登記
(住宅ローンを借りて家を建てる方全てに必要)

✔抵当権設定登記・・・
融資した銀行が土地や家を担保に入れたことを第三者に示すための登記
(住宅ローンを借りて家を建てる方全てに必要)

✔建物滅失登記・・・
建替えするにあたり、もともと建っていた家を取り壊したことを証明するための登記
(古い家を取り壊して家を建てる方は必要)

✔土地地目変更登記・・・
畑や田んぼなどの農地であったり、雑種地といった宅地以外の土地を宅地に変更するための登記
(宅地以外の地目の土地の上に家を建てる全ての方に必要)



とまあ、土地から買って家づくりをするのか?建替えなのか?
によって必要になる登記は違うのですが、
この6つを覚えておいていただければ、大丈夫だと思います。



いかがでしたか?
これであなたも諸経費についてご理解いただけたと思います。



全体予算から、これらの諸経費に加え、
家具や家電、地盤改良費用、引越代といった
その他諸々の経費を差し引いていただければ、
あなたが土地や家に掛けられる予算がより
明確に出てくることになります。



これでようやく土地探しに進めることになるので、
次回からは『土地探し』について詳しくお伝えしていきたいと思います
お楽しみに♪


#6 正しい資金計画のやり方

正しい資金計画のやり方



では、今回は資金計画のやり方についてお伝えしていきます。
まず、資金計画で大切なことは、
どのタイミングで資金計画を行うか?
ということです。




土地を決め、住宅会社を決め、プランを描いてもらい、そして
見積りを出してもらうと同時に『資金計画書』という名の
予算シートを出してくれる住宅会社が多いのですが、
このタイミングで資金計画を行うのではあまり意味がありません。




資金計画とは、全体予算をはじめ、土地や家などに
それぞれ一体どれくらい予算を振り分けるのかという
計画を立てるために行うものですから、
家づくりの最初にしなければ意味がありません。
ですから、家づくりは、まずは資金計画から始める
ということを肝に命じておいてください。




そして、その資金計画で最初に行うことが
『住宅ローン選び』です。
では、まずは住宅ローンについて考えてみましょう。




『住宅ローン』で借り入れする金額を決める際、
1.金利タイプ
2.返済期間
3.月々返済額
この3つをもとに決めていきます。




1の金利タイプについては、
前回のお手紙で詳しくお伝えしたので、
それをもとに選んでみてください。
では続いては、"返済期間"についてです。




一般的には、返済期間の最長は35年なのですが、
(フラット50という50年までOKという商品もありますが、ここでは割愛します)
返済期間については多くの方が勘違いしていることがあります。
それは、返済期間は5年単位でしか決められない
という勘違いです。実は、この返済期間は、5年単位という決まりなど
もちろんありませんし、自分自身で自由に決められます。
好きな年数でね。31年とか、24年といった風に。




またフラット35という商品を選ぶ場合、商品名がそうだからか
もしれないのですが、35年返済しかダメだと思い込んでいる方
がけっこういらっしゃいます。
この誤解についても、決してそんなことありませんので、
安心していただければと思います。




返済期間については、以上のことを踏まえつつ、
職業や年齢などを考慮した上で決めていただければと思います。
ただし、あまり短い期間で設定してしまった場合、
借入額が少なくなってしまうことになるので、
予算という点も考慮しつつ決めていただければと思います。




では続いては、"月々の返済額"についてです。
ここで質問です!
あなたは毎月いくらぐらいなら返済出来ますか?




1.今の家賃で払っている金額ぐらい?
2.家賃に1万円足したぐらい?
3.家賃に2万円足したぐらい?
4.せっかく一生に一回の家を建てるのだからそれ以上?




ここで答える金額については、
その方の価値観によるものなので、
正解があるわけではないのですが、しいて言うならば、
何を基準に決める?かということが大切になります。




あなたが、現在賃貸アパートやマンションにお住まいなら、
『家賃』+『光熱費(ガス・電気・水道代)』+『CATV代』
が、居住費としてかかっていますよね。




そして、これから家を建てるとなると、
この『家賃』が『住宅ローン』に変わり、
さらに『固定資産税』が税金としてかかってくるようになります。




また、家を建てるとなると、家の面積が増える分、
もしかしたら光熱費も多少上がるかもしれませんし、
20年後、30年後の『修繕』に備えて、
その積立てをしていきたいと思っているかもしれません。




そうなれば、今までよりもお金がかかってしまう
ということになりますよね。




ですから、本当は最初に『資金計画』をしつつ、
それに加えて『生命保険』を見直した方が良いんですよね。
住宅ローンを借りるとなると、団体信用生命保険と言う
生命保険に加入することになります。
そうなれば、ローンを組んだ方に、
もしものことが合った場合、住宅ローンがその保険金で
相殺されることになります。
つまり手厚い保障がつくということなんですよね。




ですから、家を建てる機会に、
一度現在お入りの生命保険を見直してみることも
大切なんですよね。無駄に保障ばかり増やして、
保険にお金をかけ過ぎてしまっている方も
決して少なくないですからね。




もし、保障の手厚さは維持したまま、
保険が1〜2万円削れれば、それで固定資産税や
修繕費用の積立てが出来ますから、
保険の見直しもぜひ前向きに考えていただきつつ、
返済金額を算出していただければと思います。




住宅ローンは、以上のことを踏まえた上で
選ぶようにしていただくといいんですよね。
そして、そこから逆算された借入金額に、
負担出来る自己資金を加算した合計金額が、
あなたにとってのベストな全体予算というわけです。




では次回は、その全体予算を細分化していきますね。
まずは土地と家以外にかかる費用の中の、
諸経費について詳しくお伝えしたいと思います。
お楽しみに♪


#5 3つの住宅ローン商品の特徴

3つの住宅ローン商品の特徴


前回、住宅ローン商品は、大きく分けて
"変動金利"と"固定金利選択型金利"と"固定金利"の3つしかないとお伝えしたのですが、
今回は、それらの特徴についてお伝えしていきたいと思います



まずは、"変動金利"からです。
この商品は、金利が安いというメリットを持っていますが、
貸出金利が市場の動向に左右されてしまうことから、
将来の金利が分からないですし、
最終的に返済する総額も全く予想出来ないというものです。
ですから、自己資金が多く借入金額が少ない方だったり、
もし金利が上がりそうになった時には、
まとまったお金を返済出来るような経済的余力がある人にとっては、
とっても有利な商品となっていますが、
自己資金が少なく、借入金額も多い、
また貯金が苦手だという方には、
あまりオススメ出来る商品ではありませんね。
では、その理由となる特徴について詳しくお伝えします。
変動金利の商品は半年ごとに金利を見直すのですが、
仮に半年後に金利が上がったからと言っても、
返済額がそれに連動して上がるというものではなく、
返済額自体は5年間変わらず、その内訳が変わります。
元金と利息の割合ですね。



例えば、返済額が70,000円だとしたら、
元金が45,000円、利息が25,000円だったのが、
元金が35,000円、利息が35,000円
になるといった感じです。



ですから実質上は、5年間返済は固定されるのですが、
その間で金利が上がってしまった場合には、
利息の割合が増え元金の減りが遅くなってしまうということですね。
また、5年後金利が上昇している場合、
返済額は上がるようになるのですが、
現在の支払いの1.25倍以上にはならないという
制限があります。
例えば、現在の返済が70,000円だとしたら、
どれだけ金利が上がったとしても87,500円以上の
返済額にはならないということです。
とはいえ、金利が上がってしまった場合でも、
急に返済がキツくなることはないものの、
元金が全然減らないという状況を招くわけですから、
徐々に徐々に住宅ローンに苦しめられていくようになるので、
その点をご理解いただいた上で
選んでいただければと思います。



続いては"固定金利選択型金利"についてお伝えします。
これは、固定という単語が入っているため、
固定金利の仲間のように感じますが、
実際のところは変動金利の仲間です。



銀行に行ったことがある方なら、
3年固定、5年固定、10年固定といった
住宅ローン商品をお聞きしたことがあると思いますが、
地方銀行の主力商品となるのが、この固定金利選択型金利です。
金利設定や金利の固定期間は各銀行によって様々ですが、
固定期間が短ければ短いほど
金利が安いのが特徴になります。



この商品は、当初固定期間だけは低い金利が設定されているし、
返済が変わらず安心ですが、
期間が満了し、再度同じ住宅ローンを選ぼうとした場合、
商品の性質上、貸出金利が上昇します。
(よほど現在より景気が落ち込んでいる場合なら
上がらないかもしれませんが・・・)



あるいは、銀行によっては、当初の固定期間が終了すると
必然的に変動金利に切り替わるところもあるので、
この固定金利選択型金利を選ぶ場合には、
こういったことも理解した上で選ぶべきです。



なにより、この商品を選ぶ上で
気を付けなければいけない点は、先程の変動金利と違って、
返済額の上限ルールがない点です。
つまり、一気に返済負担が
上がってしまうかもしれないということ。
やはりこの商品も、自己資金が多く借入金額が少ない方だったり、
着実に貯金をすることが出来、もし金利が上ってしまった時には、
ある程度まとまったお金を返済出来るような
経済的余力がある人じゃなければ、
安易にオススメ出来るものではないんですよね。
期間満了時に、借り換えという選択肢もあり、
それを提案する住宅会社もありますが、
これもよく考えるべきです。
なぜなら、銀行で住宅ローンを組む場合、
必ず団体信用生命保険という生命保険に加入させられるのですが、
もし固定期間満了時において体調面に難が出てしまっている場合には、
この保険に加入出来なくなり、
そうなれば借り換えが出来なくなってしまうからです。



以上が、固定金利選択型金利の特徴です。
では最後に、"固定金利"についてお伝えします。
固定金利は、その名の通りずっと金利が固定され、
一生涯返済額が変わらないという特徴を持っています。
つまり安心であるということが言えるのですが、
その反面、先程の変動金利や固定金利選択型金利に比べると、
貸出金利が高いと言うデメリットを持っています。
また、変動金利や固定金利選択型金利に比べると、
住宅ローンを借りるための初期費用も
余分にかかってしまう部分もあるというデメリットを持っています。



ですから、金利が高いことから返済額を基準に
借入れする金額を決めるとしたら、
予算は変動や固定金利選択に比べると少なくなってしまうし、
その上、初期費用が余分にかかることから、
さらに土地や家に費やせる予算が減ってしまうことになります。
また、この"固定金利"の代表的商品には
住宅金融支援機構が取り扱う『フラット35』がありますが、
この商品を選ぼうとした場合には、商品の性質上、
つなぎ融資の手数料と金利という余分な費用が
さらにかかってくることになります。
フラット35の貸出金利の中には、
銀行のように団体信用生命保険料が含まれていないタイプもあるため、
その保険料を別途で支払うようになるので、
その費用も初期費用やランニングコストとして
予算計上しておくことも大切なこととなります。



いかがですか?
3つの商品の特徴をお伝えしてきましたが、
それぞれの商品がメリットもデメリットも
備え持っていることをご理解いただけたと思います。
これらの特徴を踏まえつつ、
自分に合った住宅ローン選びをすることが、
『資金計画』では大切なこととなってきます。



目先の金利の安さで選ぶのも危険ですし、
また住宅ローンは、支払い終わってみるまで、
どれが得でどれが損だということが分からないものですから、
損得勘定で選ばないようにも
注意していただければと思います。



では次回は、
今までご紹介した内容を踏まえつつ、
『正しい資金計画のやり方』について
お伝えしていきたいと思います。
お楽しみに♪



イベントは大好評にて終了いたしました!

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2021年12月4日・5日に開催いたしました新商品住宅発表会は、多くの方にご来場いただきました。
ご来場いただきました皆様、本当にありがとうございました。
次回のイベント開催につきましては、後日詳細が決定したのち公表いたします。
次回イベントも是非お越しくださいませ!


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